


がん家族はどこに相談できるのかを、
簡単にわかりやすくご紹介します。
はじめに
「がん家族」とは、がん患者を支えながら共に病と向き合う家族のことを指します。
患者本人だけでなく、家族も精神的・身体的・社会的に大きな影響を受け、
ストレスや不安を抱えがちです。
近年は、患者支援だけでなく家族へのケアやサポート体制の重要性も広く認識されるようになっています。

がん家族が相談できる場所として、以下の3つがあります。
① がん相談支援センター
【理由・メリット】
全国のがん診療連携拠点病院などに設置され、無料で誰でも相談可能です。
主に看護師やソーシャルワーカーが対応し、
医療や生活面での悩みを整理し、必要な支援につなげてくれます。
医療費の相談、就労支援、緩和ケアの情報など、治療以外の生活面でのサポートも提供されることがあります。
補足:患者の主治医ではない他のがん拠点病院のがん相談支援センターも相談ができます。

② 患者会・家族会
【理由・メリット】
同じ経験を持つ患者や家族同士で話せる場です。
共感を得られ、「自分だけじゃない」と安心できる心理的メリットがあり、
ネットや本ではわからない生の声が聞け情報交換や励まし合いも大きな支えになります。
他の家族の対応や考え方を聞くことで、
自分では思いつかなかった対処法や患者との向き合い方を見つけられる可能性がありますし、
自分のやり方が正しかったのだと安心できることもあるようです。
補足:家族会には、患者会と併設、または患者と一緒に参加していいですよというスタンスのところがあります。

③ カウンセリングサービス(医療機関内・外部)
【理由・メリット】
専門の心理士やカウンセラーによる個別相談で、家族自身のストレスや不安をケアできます。
感情を整理し、心の負担を軽減できるため、患者へのより良いサポートにもつながります。
カウンセリングは秘密が守られる場なので、
家族や友人に言えない本音を安心して話せます。批判や否定を恐れず自分を表現できます。
補足:まだ数は少ないのですが「精神腫瘍内科」や「家族外来」「遺族外来」を設けている病院もあります。


相談先それぞれのデメリットをご説明します。
① がん相談支援センター
【デメリット】
- 相談時間が限られている場合があり、じっくり話しきれないことも。
- 担当者によっては相性が合わず、満足感が得られにくいこともあります。
- 専門性のばらつきがあり、施設や相談員のスキルによって、提供される情報の質や対応に差がある場合があります。
② 患者会・家族会
【デメリット】
- 体験談が中心になるため、必ずしも自分に合う情報ばかりではない。
- 他人のつらい話に触れて、かえって気持ちが落ち込んでしまう場合もあります。
- 自分の家族の状況を話すことに抵抗があったり、知り合いに会う可能性がある場合、気軽に参加しづらいと感じる人もいます。
補足:オンラインで開催される家族会もあります。こちらなら画面をオフにすることもできるため知り合いに会う可能性は低くなります。
③ カウンセリングサービス(医療機関内・外部)
【デメリット】
- 外部カウンセリングは費用がかかることが多く、経済的負担になる可能性がある。
- 相性の良いカウンセラーを見つけるまでに時間がかかる場合があります。
- 定期的に通う必要があったり、深い話をすることで精神的な疲れを感じる場合があります。


「どんな人」に「どの相談先」が向いているかをわかりやすくまとめまてみました。
① がん相談支援センターが向いている人
↓ ↓ ↓
- 初めて相談したいけど、どこから話していいかわからない人
- 医療・制度・支援情報を知りたい人
- 費用をかけずに専門的なアドバイスがほしい人
→ 広く情報整理を手伝ってほしい人にぴったり。初めの一歩に最適です!
② 患者会・家族会が向いている人
↓ ↓ ↓
- 同じ立場の人と気持ちを共有したい人
- 「今、他の人はどうしてる?」とリアルな体験を知りたい人
- 一人で抱え込まず、仲間がほしい人
→ 共感やつながりを求める人におすすめ。孤独感を和らげたいときに◎。
③ カウンセリングサービスが向いている人
↓ ↓ ↓
- 強いストレスや不安、うつ傾向を感じている人
- 誰にも言えない悩みを整理したい人
- 長期的に心のサポートを受けたい人
→ 自分のメンタルケアを重視したい人に向いています。深い悩みを静かに整理したいときに効果的。
※「向いている人」は全てのひとに当てはまるものではありません。参考にしていただければ幸いです。
「がん家族が相談できる場所3つ」はいかがでしたか?
一人で悩んでいるがん家族の方々が、少しでも心が軽くなるといいですね。
もしどこに相談すればいいか不安な場合は、まずは病院ににある「がん相談支援センター」から相談されることをお勧めします。

書いた人のコメント
がん家族セラピストとして、がん家族さんに有益な情報がいきわたればいいなと思っています。
文 酒井たえこ
著作/制作 一般社団法人Mon ami
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